SOLD OUT
A5判256ページ/2014年4月1日発行[雑誌19637-4]
【特集】 追悼 大滝詠一 1980-2013
1978年に『レッツ・オンド・アゲン』を発表した後、ナイアガラ・レーベルもいったん休止しますが、仕切り直して81年に発表された『ロング・バケイション』はじわじわと売り上げを伸ばし、時代の追い風も受けミリオン・セラーに輝きます。ポップにまとめられたこのアルバムは、70年代の種々の試みを踏まえた分厚いサウンドの裏に、様々な趣向が凝らされた集大成でもありました。『ナイアガラ・トライアングルVol.2』や、今回、30周年盤がリリースされる『EACH TIME』など大ヒットを記録したアルバムと並行して、松田聖子や小林旭といった歌手への曲提供も精力的にこなし、それぞれの代表曲ともいえるものが残されています。90年代以降は、リイシュー企画の監修や「日本ポップス伝」などのラジオ番組と同時に、音楽以外の活動も精力的に行なっていました。今回はそれらにも光を当てながら、80年以降の活動を振り返ります。
■ グラフィック・ステーション~『EACH TIME』の幻のジャケットほか
■ 井上鑑インタヴュー~大滝さんは、音楽制作の面白さをいろんなかたちで見せてくれた存在なんです(萩原健太、湯浅学)
■ 『EACH TIME』30周年記念盤(武田昭彦)
■ 大滝詠一ストーリー(下)~自らをも対象にする“ナイアガラ研究”期の80年代以降を辿る(除川哲朗)
■ 大滝詠一年譜 1980~2013年編(土橋一夫)
■ 大滝詠一ディスコグラフィー
オリジナル・アルバム(湯浅学)
ソロ時代のオリジナル・アルバム未収録音源/ヴァージョン(後編)(島村文彦)
■ プロデュース作品/提供曲ほか(篠原章)
■ 趣味趣味活動(1)日米音楽史の真実を求めたラジオDJ(萩原健太)
「大瀧詠一の日本ポップス伝」「大瀧詠一のアメリカン・ポップス伝」全放送曲目リスト(編集部)
■ 趣味趣味活動(2)銀幕の東京の中を歩き、喜劇人を再発見した“探究者”(佐藤利明)
■ 大滝詠一の変名を“解題”する(編集部)
■ 『フィル・スペクター 甦る伝説』をめぐって──知られざる本作りの舞台裏(藤脇邦夫)
■ 大滝詠一とビートルズ(宮永正隆)
【特集】 ウィルコ・ジョンソン
昨年の年明け、末期のすい臓がんに侵されていることを公表したウィルコ・ジョンソン。そんな悲しみをぶっとばすように、単独来日公演、フジロックで観客を熱狂させたステージは忘れがたいものでした。しかもその勢いは止まることなく、この3月に再び来日し、4月にはなんとロジャー・ダルトリーとの新作が発表されるというのです。1970年代半ばにはイギリスのパブ・ロック・シーンの中心に立ち、パンクに影響を与えたドクター・フィールグッド時代から、多彩なセッション、独自のスタイルで指を血まみれにして放つ機関銃のようなカッティング…と、現在でも再評価され続ける彼の音楽の“熱”に深くせまります。
■ 新作に秘められた奇想天外な人生劇(大鷹俊一)
■ ピックを使わないカッティングの謎に迫る(遠藤誠)
■ ウィルコ・ジョンソン・ディスコグラフィー
ドクター・フィールグッド時代のアルバム(行川和彦)
ソリッド・センダーズ以降のアルバム(行川和彦)
映像作品(赤岩和美)
■ 主なセッション参加作(鳥井賀句)
□ 佐野元春&雪村いづみ
洋楽への愛情を共有する“同志”の出会いから生まれた共演アルバムと雪村のベスト盤(北中正和)
□ ジョニー・ウィンター
ロックンロールに“ブルースの魂”を込めたギタリストの集大成となる4枚組が登場(小出斉)
□ ボブ・ディラン
『30周年記念コンサート』をはじめ“生きる伝説”を体感しつくすリリースが続々と!(宇田和弘)
□ ホリーズ
70年代半ばまでの活動を網羅した日本独自のコンプリート・シングル・コレクションとDVD(犬伏功)
□ ブランズウィック・レコーズ
定評ある名盤から異色作まで~シカゴ・ソウルを代表する名レーベルの再発シリーズ第7&8弾(平野孝則)
□ ソニー・ジャズ・コレクション1000
ジャズの誕生と進化を記録し続けたコロンビア/RCAレーベルの名盤が廉価で大挙復刻(大村幸則)
□ ワーナー・ジャズ・ベスト・コレクション1000
破格のスケールで続くジャズ・アルバム廉価復刻シリーズの“モア・セレクション”35タイトル(原田和典)
□ テリー・リード
レッド・ツェッペリン結成前に誘いを受けたシンガーの重要ソロ作3タイトル(若月眞人)
□ ベツレヘム・レコーズ
人気再発シリーズ続編の最終章~過去最多の世界初CD化を含む全35タイトルがリリース(小峰正治)
□ ムーンライダーズ
ファンの間で語り継がれる10周年記念ツアーの初音源化CDと初DVD化映像(小川真一)
□ 柴山俊之
インタヴュー~60年代の記憶が血肉となった新作音源/短編小説集で挑む“新境地”とは(小松崎健郎)
□ オレンジ・ジュース
ネオ・アコの代表的バンドの4作が久しぶりに再発(油納将志)
□ トランスアトランティック
プログレのスーパーグループ、新旧4作品の豪華版(舩曳将仁)
□ 60年代東京・自由を愛した女たち
安井かずみ、加賀まりこ、大原麗子らの艶やかな生き方を刻んだ名盤が再発に(鈴木啓之)
REGULAR CONTENTS
◆リイシュー・アルバム・ガイド
国内外でリリースされた幅広いジャンルの旧音源コンピレーションや再発アルバム、映像作品をくわしく紹介。音楽そのものはもちろん、リマスターやパッケージの出来にまでこだわって、豊富な知識をもつ執筆陣が徹底チェックします
*今月のリリース情報…紙ジャケット、生産限定盤などの予定も可能な限りお伝えします
*ニュー・アルバム・ピックアップ…ヴェテランの新作から注目の新人まで、編集部が選んだおすすめの新録アルバム
◆インフォ・ステーション……ニュース、書評、コンサート情報など
◆[連載]ゲレッド・マンコウィッツが写す英国ロックの伝説(佐藤信夫)/ビートルズ来日学(宮永正隆)/ブリティッシュ・ロックの肖像(富岡秀次)/続・蒐集奇談(岡田則夫)/洋楽マン列伝~磯田秀人氏(篠崎弘)/大鷹俊一のレコード・コレクター紳士録/ブラウン管の向こうの音楽職人たち~椙山由美(濱田高志)/ちょっと一服(コモエスタ八重樫)/ウィ・ヒア・ニュー・サウンズ(武田昭彦)/赤岩和美の海外盤DVD&Blu-rayロック映像情報/和久井光司のアナログ奇聴怪会/ジャズ~ポピュラー・ヴォーカル新作案内(高田敬三)/Legendary LIVE in U.K.(写真=イアン・ディクソン)