A5判260ページ/2015年7月1日発行[雑誌19637-7]
【特集】 黄金時代のイエス
英プログレッシヴ・ロック・シーンを代表するイエス。1980年代にはサンプリングなど新たなテクノロジーを取り入れて商業的な成功を収めますが、プログレッシヴ・ロックというジャンルを代表する時期といえば、ジョン・アンダーソン、スティーヴ・ハウ、クリス・スクワイア、リック・ウェイクマン、ビル・ブルフォードの5人によって生み出された72年の傑作『危機』の前後数年間になるでしょう。今回の特集では、ドラマーがアラン・ホワイトに交替した72年のツアー7公演分をCD14枚に収めた驚愕のボックスの紹介を中心に、イエスの黄金時代とその時期を支えた個々のメンバーにスポットを当てました。
■ グラフィック・ステーション『危機』『イエスソングス』オリジナル盤ほか(井上肇)
■ 長大なものでしか世界をすくい取れなかったあの時、イエスの美しき過剰は輝いた(巽孝之×難波弘之)
■ 『サード・アルバム』からの3年間が黄金時代として愛され続ける理由(立川芳雄)
■ イエスのサウンドを織り成す縦糸と横糸を紐解く(小山哲人)
■ オリジナル・アルバム・ガイド(松井巧)
■ ハイレゾで聴く『危機』『イエスソングス』(武田昭彦)
■ 『プロジェニー:1972 ライヴ【デラックス BOX】』解説(片山伸)
■ 『こわれもの』/『危機』ツアーを徹底分析!(伊藤秀世)
■ オリジナル・アルバム未収録曲/ヴァージョン(石川真一)
■ 70年代初期の姿を捉えたファン必見のライヴ映像(赤岩和美)
■ 全盛期を築き上げたメンバー6人のソロ活動(舩曳将仁)
【特集】 フォザリンゲイ
ブリティッシュ・フォーク・シーンを代表する女性シンガー:サンディ・デニーが、フェアポート・コンヴェンションを1969年末に脱退し、新たに結成したグループがフォザリンゲイ。オーストラリア人やアメリカ人を含むメンバー構成も相まって、翌70年に発表されたデビュー作は、トラッド的な色彩とアメリカン・ルーツ的なサウンドが絶妙にブレンドされた、奇跡のようなアルバムでした。しかし、バンドはその一作を残しわずか1年で解散。デニーは、ソロ・シンガーとして新たなキャリアをスタートさせます。そんな彼らの幻のセカンド・アルバムやライヴ音源などをまとめた集大成ボックス “Nothing More” が海外盤でリリースされました。ほんの一瞬の期間でしたが、英フォーク・ロック界に多大な功績を残した彼らの足跡を振り返るにはまたとない機会と言えるでしょう。
■ 一瞬の輝きを残し消滅した、英国フォーク・ロックの至宝(小西勝)
■ オリジナル・アルバム/発掘音源アルバム(若月眞人)
■ 集大成ボックス解説(若月眞人)
【特集】 サン・レコーズ
米南部のメンフィスで1950年にレコーディング・スタジオを始めたサム・フィリップスは、当初、ブルースやR&Bを中心に録音していました。レーベルとしては52年からリリースを開始します。こちらも当初は黒人音楽が中心でしたが、54年に発売したエルヴィス・プレスリーが大ブレイク、さらにカール・パーキンス、ジョニー・キャッシュらのスターを続けて生み出し、ロックンロール~ロカビリーの重要レーベルとして名高い存在となります。レーベル自体は69年に売却されますが、残された膨大な遺産は、その後も未発表曲なども含め発掘・再発され続けています。サンのオリジナル・アルバムのリイシュー・シリーズが始まるこの機会に、ロック/カントリー/ブルース/R&Bをまたにかけた名レーベルの魅力を改めて味わってみましょう。
■ ロックンロール創成期に多様な才能を輩出したメンフィスの伝説的レーベル(五十嵐正)
■ サン・レコーズ名曲選(宇田和弘、小出斉、萩原健太)
■ 関係者名鑑(中村彰秀、佐野ひろし)
■ ソリッド/サン・オリジナル・ヴィンテージ・コレクション(杉原志啓)
■ 王道の編集とはひと味違う湯浅学監修の『A Gate Of Sun』(荒川典久)
□ ポール・マッカートニー
<ビートルズ来日学・特別講義>日本武道館公演での考察(宮永正隆)
□ エリック・クラプトン
円熟していく中期以降のキャリアをまとめた、重厚な3枚組ベスト盤(細川真平)
エリック・クラプトンの最新ライヴをリポート!(吉野慎一郎)
□ 青山陽一
インタヴュー~ソロ25周年を機にベスト盤を発表、今に至るまでの曲作りや心境の変化を語る(矢川俊介)
□ 江藤勲
追悼~半田健人が語る“エレキ・ベースの鉄人”とその歌謡魂とは(ガモウユウイチ)
江藤勲の名演50選!(馬飼野元宏)
□ ジェイムズ・テイラー
今も変わらない誠実な音楽性が最良の形で表現された新作(遠藤哲夫)
□ 『バッハ・トゥ・モーグ』
モーグ誕生50周年を記念して制作されたシンセによる新たなバッハ集(坂本理)
□ ホークウィンド
初期の5作が特殊ジャケや封入物などオリジナル盤の意匠も再現して新装再発(行川和彦)
□ タイムレス・レコーズ
70~80年代に活きのいい新譜をリリースしたオランダのジャズ・レーベルの復刻・第2弾(原田和典)
REGULAR CONTENTS
◆リイシュー・アルバム・ガイド
国内外でリリースされた幅広いジャンルの旧音源コンピレーションや再発アルバム、映像作品をくわしく紹介。音楽そのものはもちろん、リマスターやパッケージの出来にまでこだわって、豊富な知識をもつ執筆陣が徹底チェックします
*今月のリリース情報…紙ジャケット、生産限定盤などの予定も可能な限りお伝えします
*ニュー・アルバム・ピックアップ…ヴェテランの新作から注目の新人まで、編集部が選んだおすすめの新録アルバム
◆インフォ・ステーション……ニュース、書評、コンサート情報など
◆[連載]写真家ゲレッド・マンコウィッツが語る英国ロックの伝説(佐藤信夫)/ブリティッシュ・ロックの肖像(富岡秀次)/長門芳郎のマジカル・コネクション/ストリング・ゼム・アロング(ジョージ・カックル)/洋楽マン列伝~菅野ヘッケル氏(篠崎弘)/大鷹俊一のレコード・コレクター紳士録/続・蒐集奇談(岡田則夫)/ちょっと一服(コモエスタ八重樫)/DJフクタケのゆるみっくす7”/ウィ・ヒア・ニュー・サウンズ(武田昭彦)/赤岩和美の海外盤DVD&Blu-rayロック映像情報/和久井光司のアナログ奇聴怪会/Legendary LIVE in U.K.(写真=イアン・ディクソン)